二党制について


民主党の小沢代表は随分と先走ったが、
まあ、分からない話でもない。
93年の非自民連立政権から14年、
2000年の自自公から7年ぐらい経つから、
政権(自民出身者も含め)を経験したことのある議員が
どんどん引退してしまう頃だろう。


15〜20年くらいが大体一つの区切りで、
これくらいで政権を奪取出来ないと
たとえ二党制の国でも中々政権を獲得できないし、
経験不足から維持することも困難になる。
今だとちょうど英国の保守党あたりが
政権経験者の引退に頭を悩ませていそうだ。


90年代にかけて二党制賛美の風潮が甚だしかったが、
二党制というのは純粋にシステムや制度なのではないし、
ましてや目標になるような性質のものでもない。
二党制というのは単なる政治の形態、
結果としての状態に過ぎない。
二つの政党が伯仲していなければならない訳ではなく、
政権獲得が可能な、あるいはその意志がある
政党が二つあればそれでよいのである。
したがって、民主党が未だ政権を獲得したことが無くとも、
日本の国会における政党分布は二党制と言えなくもない。


日本の二党制論は自民党批判と
癒着してしまっているが故に歪んでしまっている。
非自民政権あるいは自民政権批判と、
そういう体制構想は分けて考えた方が
よいのではないかと思う。
誤解を恐れずに言えば、
政権交代が絶対必要とする考え方と、
政権を何が何でも維持せんとする考え方に、
根本的な差異などはありはしないのである。
日本の政治や言論において、
ある種の倫理的な志向が
著しく合理性を損なわせている。
たとえば、ジャーナリストと自称する人々たちが、
政治に対して批判的であらねばならないという
強迫観念にすっかり囚われてしまっているように。